そんな今日、遠い国ロシアではクリスマスを祝っています。
12月25日のクリスマス、そしてお正月にかけて滞在するお客さんのピークが終わり、スキー場がだいぶ空くこの頃、毎年キッツビューエルのスキー場にはたくさんのロシア人がやってきます。
いつも他の国のお客さんとはずれて休暇を取るなと思っていたのですが、、つい最近ロシアでは1月7日がクリスマスだと言う事を知りました。同じクリスマスなのに、なんでこんなに後なのだろうと不思議に思い、調べてみました。
それはカレンダー事情に起因していました。
昔々、ローマ時代のこと。それまでのカレンダーがあてにならないと言う事で、ユリウス・カエザルが天文学者に頼み、地球が太陽を回る周期を元に新たにカレンダーを作ってもらいました。その名前がユリウス・カレンダー。当時このユリウス・カレンダーは幅広く使われていたそうです。
だいぶ正確にはなったものの、ユリウス・カレンダーになってもまだカレンダーの一年は太陽年より11分14秒長かったため、このカレンダーが使われ始めた紀元前46年から西暦1580年までの間で太陽とカレンダーの間に10日間のずれが生じてしまいました。
そんなわけで1582年にローマ教皇、グレゴリウス13世がカトリック教徒の祭日が一番少ない10月から10日間なくすよう命じ、太陽とカレンダーの間のずれを修正しました。
そして更に、二度とずれが生じないようにとカレンダーに微調整を加え、カレンダーと太陽の一年の間の差を26.3秒にとどめる事が出来ました。この新しいカレンダーを使うと太陽とカレンダーの間にわずか一日のずれが生じるのが遥か先の西暦4316年です。
そんなグレゴリウス13世の名にちなんでこのカレンダーはグレゴリオ・カレンダーと名付けられ、現在でも世界中のほとんどの国で使われています。
彼が10日間カレンダーから切り落とすよう命じた1582年。この年10月5日が突如10月15日となり、ヨーロッパのカトリック教徒の国の大半がこのカレンダーを使うようになりました。しかしドイツのいくつかの州は1700年までユリウスカレンダーを使い続け、イギリスとアメリカの植民地は1752年になるまでカレンダーの切り替えを行いませんでした。そしてロシアとトルコはその後、1900年代初期になるまでグレゴリオ・カレンダーを取り入れませんでした。
私たちが使っているグレゴリオ・カレンダーの1月7日は、旧ユリウス・カレンダーのクリスマスに当たるのです。
1900年代初期まで旧ユリウス・カレンダーを使用し続けたロシアではそんな訳で、グレゴリオ・カレンダーに切り替えた現在も、旧ユリウス・カレンダーが示す12月25日(現在私たちが使っているグレゴリオ・カレンダーの1月7日)にクリスマスを祝うのだそうです。
そんなわけでロシア人はお正月からロシアのクリスマスである1月7日にかけてキッツビューエルやキルヒベルグを訪れるのです。
Merry Russian Christmas!!!
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