2012年3月9日金曜日

スキー教師のレース

キルヒベルグから車で50分くらい離れているFieberbrunnというところで午後から地区のスキー教師のレースがありました。

一本目のスタートは4時半。参加人数は40人。この中から女子8名、男子16名が夜7時に始まるパラレルスラロームのレースに進む設定。

私は残念ながらパラレルスラロームに進むことができませんでしたが、キルヒベルグのスクールからは校長のRudiとKathiとLukasが予選を通過しました。

というわけで、私はKathiのサポートをすることに。国家検定の入試の時、私にずっと付き添ってサポートをしてくれた彼女にせめてもの恩返しです。

パラレルスラロームを見るのは初めてだったのですが、コースはハーフパイプの底の部分に赤コース、青コース、2本がセットしてありました。通常のGSとはちがって中回りくらいの細かいセットで途中なんとジャンプが2回あります。

最初は男子から。1位と16位の対決です。St.Johannの校長Simon Eggerとキルヒベルグの同僚Lukasです。

赤コース、青コース同時にスタートをし、タイムは図らず最初にゴールを超えた人が勝つ仕組みです。コースは同じような感じで貼ってあってもジャンプの高さだったりちょっとずつ違うので一本滑ったらもう一度上がり、今度は逆のコースで対戦します。

SimonとLukasの一本目は明らかにSimonが早く、2本目はLukasがジャンプのところでスキーが外れ、Simonの勝ち。

勝ち進んだSimonは今度8位と9位の間の勝者と対戦、という仕組みです。

私はKathiに付き添いながらスタートで見ていましたが、この競技で何よりも大事なのはスタート。審判の掛け声に合わせ、スタートのところにある赤いパネルと、青いパネルが同時に降りるのですが、ここでタイミングを逃すと遅れ、相手のスキーヤーの動きが気になり滑りにくい状況になります。

パラレルスラロームの種目に進んだ人たちは明らかに元レーサー。皆とても上手で、ジャンプなんてまるでないように思わせるくらい上手に吸収し、ラインも崩れず滑っていました。そして決勝に進むに連れ、私は彼らの勝つことに対する執着心というのか、集中力を目の当たりにしました。

ものすごい気迫です。勝つことだけに集中し、一本目の旗門までがむしゃらに漕ぎ、ゴールまで自分の滑りだけに集中しています。Kathiなんかは明らかに勝っているのに私たちやコメンテーターが彼女が勝ったというまでわからないくらいでした。

しかも1本だけではなく、女子でも確実に5-6本は滑っているので本当に長丁場です。毎回、一本ごとに付き添っている私でも疲れてしまうくらいなのに。

結果は男子優勝がSimon。校長のルディは3位。そして女子優勝はKathiでした!

今晩表彰台にたった彼らが何本も滑る姿を見ていて、彼らの歴史というか、小さい頃から積み重ねてきた練習、そして私が知る由もない、さまざまな苦労を何故か垣間見ることができた気がします。彼らは滑りだけでなく、本当に心がずば抜けて強いです。

また一つ、自分に大きく欠けている部分を思い知らされましたが、今晩はそんな彼らを間近で見ることができ、感銘を受けました。

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