2013年2月10日日曜日

女子ダウンヒル

世界選手権やオリンピックみたいな大きな大会の時、欲しいという気持ちがメダルに導いてくれる時もあれば、逆に遠ざけてしまう時がある。

今日の女子のダウンヒルはそんな気持ちにさせた。

それとも、まわりの期待だろうか?

欲しいと思う気持ちは選手全員が強く持っているはずだ。だからまわりの期待が大きければ、大きいほどそれば選手にとってプレッシャーに変わり、メダルを遠ざけてしまうのかもしれない。

2番スタート、イタリアのNadia Fanchiniが最速タイムで降りてきた後、様々な国のホープだった選手が彼女のタイムを超えようと頑張ったが、前半のタイムが彼女を上回ったとしても中盤以降で全員失速。

私が期待していたイタリアのニューホープ(勝手にそう言っていますが)Soffia Goggiaは失敗をしてしまい16位。続いて、オーストリアのホープAnna Fenninger、スイスのLara Gutも1秒以上離され届かず。

コメンテーターは困惑。有力な選手がFanchiniのタイムを超えることができないのは中断があり、その間に天気が晴れから曇りになったからかもと苦し紛れに言っていました。

その後スイスのNadja Kamerが前半1秒近くFanchiniのタイムを巻いたが、中盤で一気に失速、結局5位。

ドイツのMaria Hofel-Rieschはしなやかな滑りで頑張った。前半は0.6秒上回り、中盤のタイムは1秒弱しか失速をしなかったのですが、後半でやっぱり速度が足りず。それでも、正確な技術で滑り、今大会2つ目のメダル、ブロンズを獲得!

その後それぞれの国の期待を背負った強豪選手の多くがベストを尽くすが、トップグループの最後の選手、フランスのMarion Rollandが出走するまでFanchiniはトップを守った。

優勝を何度も飾ったトップ選手たちが頑張って前半Fanchiniを上回ったしてもほとんどが中盤、後半とお釣りを使い果たした。

でもRollandは中盤のロスがほとんどなく、後半に入ってもまだお釣りが少し残すことができた。

「なんというレースだ!!」と何度も叫ぶコメンテーターの声が鳴り響いた。

そして最後、0.16秒でFanchiniのタイムを上回りゴール。今まで表彰台に立つことはあっても、優勝をしたことがない30歳の彼女。世界選手権という大きな舞台で初優勝です!!!!ゴールをした彼女はうれしさの余り、お腹の底から叫び、喜びを表していました。

終わった後の彼女のインタービューが印象的でした。私のドイツ語のヒアリングも怪しいですが、ざっと訳すと多分こんな感じでした。

質問:今まではアンラッキーとも言えるキャリアでしたが、今日の優勝の鍵となったのはなんですか?

Rolland:小さい時からオリンピックや世界選手権で優勝することが夢でした。今日はその夢が叶いました。長い道のりだったけれど、信じ続けました。彼女より早く滑れると思いました。信じれば夢は叶うのです。

試合中の私の愚問の答えが出た。どんなに強く「欲しい」と思っても、「自分を信じる」ことができなければ優勝はできないのです。回りの期待に溺れてしまうのもきっと「自分を信じきれなかったから」。

「信じること」、いや、「信じ続けること」がまさに夢をかなえる鍵なのです。




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